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年に一度は目の検査を受けて目の健康を確認しましょう!

ここでは目の視神経が傷んで視野がかけてしまう緑内障についてご説明します。
 緑内障・高眼圧症領域に配合点眼液(2種類の薬剤を1本の点眼液に組み合わせて配合したもの)が相次いで登場しました
 緑内障の治療では1種類の薬剤のみでの眼圧下降効果が不十分な場合は、2剤以上の点眼剤の併用がなされていますが、いくつかのの点眼薬を併用する場合は、続けて点眼すると目から薬液があふれ、薬剤の効果が十 分発揮されない可能性があります。このため、点眼の間隔を5分以上空けなければならず、点眼アドヒアランス(決められた方法で点眼すること)を保ちにくい側面があります。一方、配合剤は併用療法 と比べ、点眼回数を軽減することができるメリットがあります。
 

 また
点眼のみでは緑内障の悪化が防げない方、妊娠や点眼の副作用のため点眼治療の継続が難しい方、点眼を忘れてしまう方に、SLT(選択的レーザー線維柱帯形成術)を行っております。。

 詳しくは医師またはスタッフにご相談ください。
緑内障とは・・・
 緑内障は、【あおそこひ】ともいわれ、眼底にある視神経が死滅し、視野がだんだんと欠けていく病気です。「目の成人病」といわれるほど中高年に多く、40歳以上の約17人に1人の割合でいるといわれており、推定される患者数は約400万人と考えられます。例えば、数十年ぶりに同窓会で旧友と再会したときに、そのうちの1人は緑内障かも知れないわけで、決して少なくない人数ということがお分かりいただけるでしょうか。 
 
 緑内障は、失明する原因のひとつにあげられているにも関わらず、実際に治療を受けているのは全体の20%の患者さんのみです。その理由は、早期の段階では自覚症状がほとんどないためです。また、自分が緑内障ではないかと思っている人はまずいないからです。急に病気が進行して目が見えなくなることがほとんどなく、何年もかけてゆっくりと進行していくケースがほどんどのため、視野が狭くなっていることに気がつきにくく、健康診断やメガネ、コンタクトレンズを購入するときに偶然みつかることが多いです。
 
 身体障害者手帳を新規に交付された視覚障害者の約20%が緑内障患者で、糖尿病網膜症を上回り1位となっています。1級(失明)になると全体の25%にのぼります。
 


 
緑内障は、眼圧が高くなることが原因とされ、見たものを脳に伝える神経、これを視神経と呼びますが、視神経が弱ってきて、ものが見えにくくなる病気です。

 ただ、最近では、眼圧が正常にも関わらず、緑内障と診断される方が非常に多くいらっしゃいます。ですから、緑内障には眼圧以外の因子が関与している可能性が最近では示唆されています。


 眼圧は緑内障にとって非常に関係の深いものですが、眼圧が高いからといって必ず緑内障になるわけではないのです。

 また、他の病気と同様に、初期の段階では自覚症状がほとんどないため、自分が緑内障であることに気づいていない方が多いのです。

人間ドッグ検診結果でのコメントの読み方

高眼圧→19mmHg以上の眼圧
 正常値は10~21mmHgですが、健診では19mmHg以上が、受診の対象になります

網膜神経線維束欠損
 緑内障によくある眼底所見です。網膜神経線維が薄くなっていることをいいます

視神経乳頭陥凹
 左図のように視神経のくぼみが拡大します。拡大=緑内障ではありませんが、眼底検査や視野検査が必要になります。
緑内障による視野異常初期の段階ではほとんどの方は視野の異常に気づきません。


緑内障の検査
  緑内障の診断は、眼圧検査、隅角検査、眼底検査、視野検査を行います。必要な場合には、脳疾患、視神経萎縮や緑内障など視神経に障害の程度をみるために、視覚誘発電位図(VEP)を測定することもあります。それぞれの検査の結果から総合的に判断して診断をします。

 眼圧値は正常が10-21mmHgですが、日本人の場合は正常域の眼圧でも緑内障になる割合が高いことがわかっています。岡崎市公衆衛生センターの人間ドックでは、眼圧値が19mmHg以上の場合、検査が必要と通知が来ることになっています。 
 眼底検査では、視神経乳頭陥凹の有無を確認し、網膜の神経線維層の欠損(NFLD)の有無を調べます。また視野検査にて白いスクリーンに点灯する光が見えるかどうかなどで視野に異常がないか判定します


緑内障検査のための検査機器
                    
ノンコンタクトトノメーター:眼の固さ 眼圧を測定します
   静的自動視野計:視野の異常を検出します

                
眼底三次元画像解析検査(OCT)
網膜の神経線維層(NFL)の欠損を測定し、緑内障の早期発見が可能です
左上:視神経周囲の神経線維を測定
右上:黄斑周辺の神経線維を測定
  緑内障と診断されたら・・・

  眼圧、眼底の所見、視野検査等から、緑内障かどうか、またどのような病態の緑内障かを診断します。緑内障にも、開放隅角緑内障、正常眼圧緑内障、慢性閉塞隅角緑内障など、病態によってタイプがあります。治療コントロールの指標となるのは、眼圧と視野検査が主となります。

  初めて、緑内障と診断された場合は、1-2ヶ月に一度眼圧をチェックして、視野検査を3-4ヶ月に一度測定します。眼圧値は、未治療時から30%下降が目標となります。視野検査ではMD値(Mean Deviation)を指標とします。 2年間で6-8回の測定によりデータが蓄積され、視野の悪化の傾向をグラフで表し、数年後の状態を予測します。その予測に基づいて、点眼薬の種類を増減、手術の必要性を検討することとなります。


緑内障の治療
  いったん弱ってしまった視神経は元には戻らず、視野の異常も回復しません。緑内障は早期発見、早期治療が大切です。現在さまざまなリスクが考えられていますが、それらの要因のなかで唯一治療により改善が見込めるのが眼圧だけとなっており、眼圧をさげることが治療となります。

 治療には、薬物療法と手術療法があります。どちらも眼圧を下げることが目的であり、一旦進行してしまった視神経の障害、視野の異常を回復することは現在の医学では不可能です。まずは点眼薬による眼圧下降が主となりますが眼圧の高めのひとはもちろん、正常な眼圧のひともより下げると病気の進行を抑制できることがわかっています。

 点眼薬をつかっても十分に眼圧が下がらない場合は、レーザーによる治療、手術による治療が適応になる場合があります。いずれにしても、きづくのが遅くなって手遅れになる前に治療を開始することが重要です。手術は角膜と虹彩の境目にある線維柱帯という房水(眼球の張りを保つ水)の排水口を切除し、水の流れをよくすることで眼圧を下げます。
 眼圧を下げる点眼薬にはさまざまな種類があり、必要に応じて2種類、3種類と使うことになります。2種類の薬が混ざった配合タイプの点眼薬もあり、複数種類の薬を何回かに分けてさす手間が省けます。
 
 緑内障の治療は、治ることがないため一生続けていなかくてはなりません。早期に発見していかに進行を防ぐかが治療のカギとなります。40歳以上の人は、1年に一度は眼科で眼底検査や視野検査を受けることをお勧めします。

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