愛知県岡崎市上地 岡崎南上地眼科クリニック 眼科・白内障手術・緑内障検査・網膜黄斑疾患・脱毛・レーザーフェイシャル

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 年に一度は目の検査を受けて目の健康を確認しましょう!

ここでは視力低下や視野の中心部がゆがんだりかすんだりする
網膜静脈閉塞症(CRVO)/分枝閉塞症(BRVO)について説明します

 
当院では、網膜静脈閉塞症(RVO)に対して、ルセンティス・アイリーアといった抗VEGF薬の硝子体注射を行っております。


網膜静脈閉塞症(CRVO)・分枝閉塞症(BRVO)とは・・・
 網膜静脈閉塞症(RVO)とは、糖尿病網膜症についで2番目に多く見られる網膜血管疾患で、眼のそこ、眼底に出血性病変が出現し、病変が出現し、視力低下や視野の中心部分が見にくくなる目の病気です。眼底上下左右4象限のどこにでも発症し、特に網膜中心静脈閉塞症(CRVO)は、網膜中心静脈の閉塞により網膜中心静脈が怒張湾曲します。網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)は、CRVOと同じ病態ですが、病態が局所的で動脈と静脈の血管交差部におこります。

 
原因は高血圧症、心血管疾患、糖尿病、緑内障といった疾患が危険因子とされており、CRVOおよびBRVOいずれも原疾患の治療コントロールが重要となります。

 来院される方の中には、人間ドックで血圧が高いのを指摘されながら長年放置しておられる患者さんが多く見られます。

 視力低下の一番の原因は、黄斑部に病変が及んだときにむくみをおこす黄斑部浮腫という状態です。

 CRVOでは、虚血型、非虚血型に分類されますが、初診時の矯正視力が0.1ある場合は、治療による効果が期待できますが、0.1以下の場合は視力予後が悪いといわれております。

 BRVOでは、自然経過で半分から3分の2の症例で0.5以上に視力が回復し、4分の3の患者さんで視力予後がよいといわれていますが、残り4分の1の症例で黄斑部病変を伴う場合は、治療が遷延し、視力が回復しにくい状態になります。

 治療の第一選択は抗VEGF薬(ルセンティス、アイリーア)の硝子体注射が行われています。その他レーザー光凝固、ステロイド注射、場合によっては硝子体手術が行われます。

 CRVOでは、網膜虚血による新生血管によって続発性の緑内障が生じる場合があり注意が必要です。

 高血圧症や心血管疾患、糖尿病といった原疾患のコントロールを行うことで発症の危険性を減らすことができます。必ず内科を受診し、定期的にチェックしましょう。

 眼の底、眼底にある網膜の中心に黄斑があり、ものを見る場合は、この黄斑でみています。黄斑のさらに中心部には中心窩といわれるしりょくのもっともよい部分があります。この部分に出血がおこると、黄斑部浮腫という状態を引き起こすことがあり、視力低下の大きな原因となります。
 網膜局所で起こるBRVOおよび網膜全体におこるCRVOがあり、CRVOの約20%に、上半分あるいは下半分に出血が起こるHCRVOという病態があります。

 
BRVO(左図左下)
 網膜の動脈と静脈の交叉部におこる。出血や浮腫が黄斑部におよび視力が低下した場合に、自覚症状がでるため、網膜に出血していても気づかない場合がある。

 
CRVO(左図右下)
 視神経乳頭部で網膜中心動脈と網膜中心静脈の交叉部におこる。開放隅角緑内障は危険因子のひとつ。出血後網膜が虚血状態になると、新生血管が形成され、血管新生緑内障の原因となるため注意が必要。初診時視力0.1以上の場合は視力予後が期待できる。
網膜静脈分枝閉塞症
(BRVO)
黄斑部に病変はなし
網膜中心静脈閉塞症
(CRVO)
黄斑部浮腫を合併
網膜中心静脈閉塞症
(HCRVO)
黄斑部浮腫を合併

黄斑部は浮腫なし
視力は低下しない場合が多く自然軽快も

黄斑部浮腫は軽度
治療による改善が期待できる

黄斑部浮腫は高度
視力0.1以上あれば治療による効果期待
黄斑部浮腫による視野異常ものを見ようとする中心がかすむ、ゆがむ症状

網膜静脈閉塞症で黄斑部に浮腫を伴う病変がおよぶと、視力が低下しものがかすんで見えたり、ゆがんで見えたりします。

左 通常の見え方
左下 かすんだ感じの見え方
右下 ゆがんだ感じの見え方


網膜静脈閉塞症の見え方の例


網膜静脈閉塞症の検査
  網膜静脈閉塞症の診断は、視力検査、心理物理検査(アムスラーチャート)、眼底検査を行い、OCTにより黄斑部の浮腫の有無を確認します。また、血流の流れが悪い虚血領域を確認するために蛍光眼底造影検査(FAG)を行います。

網膜静脈閉塞症診断のための検査
                    
蛍光造影眼底検査(FAG)による検査
造影剤の漏出、無還流領域を確認
OCTによる網膜の断層撮影
黄斑部の浮腫の有無を確認

網膜静脈閉塞症の治療
 最近では、これまで主流だったレーザー治療に変わり、抗VEGF薬を硝子体内に注射をする治療が主流になってきています。   
 網膜静脈閉塞症では、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)および網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)ともに抗VEGF薬の硝子体注射が治療の第一選択となります。

 現在使用されている抗VEGF薬は、『ルセンティス』と『アイリーア』があり、病気の原因となる異常な新生血管を作るたんぱく質『VEGF(血管内皮成長因子)』の働きを押さえ、黄斑部における浮腫および、新生血管の形成を抑制します。BRVOでの有効率は約60%となります。

 ルセンティス、アイリーアは月1回、目に注射するだけですむため今では治療の第一選択となりほとんどの患者さんで使われています。ただし、繰り返し眼内に注射を行うため、細菌が眼内に進入して眼内炎という重篤な合併症を引き起こすこともあり注意が必要です。
 費用も1回の注射で高額な治療費がかかり、3割負担の方で5万円強、1割負担の方でも約1万2千円を負担しなければなりません。

 網膜光凝固術は、抗VEGF薬の次に選択される治療法です。CRVOでは新生血管発生の予防、BRVOでは黄斑に光凝固を行うことにより、約3割の患者さんで黄斑部浮腫が改善します。

 ステロイド注射はCRVOに行われます。BRVOにはステロイド注射は効果がないことがわかっています。

 病状によっては硝子体手術を行うこともあります。
 
 治療法の選択は、個々の患者さんの状態で、最適なものが変わってきます。また、治療を開始して治癒するまでに6ヶ月から1年以上かかることもあります。かかりつけの眼科医とよく話をして治療を進める必要があります。
 
 
    
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